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12月31日19時。
グランドセントラル駅到着。
うん、やっぱり美しい。
僕らは、地下のレストランフロアへ。
2010年最後のディナーは、OYSTER RESTAURANT。
どの雑誌にも、多数の著名人もお薦めする、知る人ぞ知るお店だ。
「これこれ!」アーチの天井を見て、僕らは感動する。
デトロイトショックでキャンセルせざるを得なかったが、
ここだけはどうしても来たかったので、再予約が出来て本当に良かった。
NYCのOPENTABLEは、本当に便利だ。
僕らは迷うことなく、牡蠣を頼む。
5種類のオイスターと2種類(ポン酢みたいなものとトマト)のソース。
オイスターの中に、KUMAMOTOとある。天草からか!?
端っこから、わんこそばのように牡蠣を食す。
ふむふむ・・・正直、唐津の、佐世保の牡蠣の方が数倍美味い。
この空間の中で食べることを味わおう。
他に頼んだサーモンは美味かった!!!
僕らはミッドタウンに帰る前に、いまだ寄ることの出来なかった
エンパイアステートビルへと向かう。
ミッドタウンから少々離れているせいか、人通りはあまり多くない。
駅に降りると、ライトアップされたエンパイアが見える。
が、カウントダウンを控え、今日は早めに閉まったようだ。
混雑を抜け出し、エンパイアステートビルから摩天楼の夜景を見るなんて
さすがに贅沢だったのか。
21時、僕らはあえなく作戦を変更し、ミッドタウンへと戻ることにした。
これから僕らの身に降り掛かる「ミッドタウンの悲劇」なんて知る由もなく・・・
ミッドタウンへ到着。
「アップルストア、かっこいいね~」
僕らは悠長に夜の街歩きを楽しんでいた。すぐ目の前に迫る人混みを避けるように。
「どっかでワインかシャンパン買って、ホテルの前で
タイムズスクエアのカウントダウンを楽しもう」
約100万人が訪れるというタイムズスクエアのカウントダウン。
15時からタイムズスクエア周辺のミッドタウンは交通規制され、
車はもちろんのこと、歩行者の入場規制が始まる。
だけど、僕らには「入場優先権」となるホテルのキーカードを持っていた。
だから、いつでもミッドタウン内に進入して、タイムズスクエアが望める
ホテルに戻れる、そう余裕をぶっこいていた。
のが、悲劇の始まりだった・・・
僕らが宿泊するホテル沿いの51stに到着した。
余裕しゃくしゃくで、入場規制する警官達にホテルのキーカードを見せた。
「NO」「え!」
つたないヒアリング能力ではあるが、
「ここからは入れない。セントラルパークの方に移動して、7番街から入れ」
という指示だ。
マジかよ・・・辺りはすごい人だかりだ。
ここからセントラルパークまでは、普通に歩いても20分はかかる。
それにこの人混みだ。ぶつぶつ言いながらも、僕らはまだ楽観視していた。
もう22時だ。セントラルパーク前には、タイムズスクエアでのカウントダウンライブ
の様子を報じるスクリーンが設置され、もう身動きがとれないほどの人・ひと・ヒト。
ここは強気に道を進まないと、僕らはホテルにたどり着かない。
すぐそこに警官がいるのに、近くて遠い距離だった。
ここに「遠慮」なんて要らない。僕らはがんがん進み、ようやく警官に話しかけれた。
ホテルのキーカードを見せると、優先的に中に通してくれた。
ただそこは、第1関門にすぎなかった。
次の難関をクリアしないと、歓喜の瞬間は訪れない。
次なる警官を前に、僕らはホテルのキーカードを再度見せる。
「ほら!この7番街を下った所に僕らのホテルはあるんだ。早く入れて」
何を英語で話したかは覚えていないが、僕のニュアンスはこんな感じだった。
が、答えは「NO」だ。
「なんでだよ!51stでそう言われたんだ!」僕が少々声を荒げると、
何やらそこの現場監督ならぬ、こわもてのおっさんが登場した。
何やら井戸端会議を始めている
「ここは駄目だ。51stから入ってくれ!」
「は?また戻れってのかい。ふざけるな!」
無力だった。多分争ったら即撃沈させられるであろうニューヨーク市警の前で
僕は出来る限り抗ってみたのだが・・・
来た道を戻る。これまで何度と味わった経験だが、
こんなに辛い道はなかったかもしれない。
なんせ体格の良い外国人達で占拠される歩道を、
流れに逆らって戻らないと行けないのだから。
結局20分の道が、1時間もかかった。
僕らは、かなりぐったりとしていた。
「ホテルのキーカードで本当に僕らはホテルに戻れるのか?」
だんだんと不安になってきた。
教えてもらった前情報が信じられなくなってきた。
僕らは、ミッドタウンのホテルに宿泊しながらも、とんでもない失態を
犯してしまったのか。一気にアウェー感が募る。
最後のチャンスだ。そう覚悟を決めて警官の下に向かった。
「NO」またか。もう我慢ならなかった。
2度断られても、3度断られても、僕は絶対に諦めなかった。
だって、ホテルはすぐそこなんだから。
すると、「OK」とゲートが開いた。
やっとだ。僕らは安堵の気持ちでホテルに向かった。
すると、最終難関が待ち構えていた。
ホテルは交差点の向こうだ。
以前の押し問答がまた続くが、僕は主張し続けた。
すると、中国人の警官が上司に掛け合ってくれ、僕らはようやく
ホテルの前に到着した。23時45分。
ホテルに戻るだけで3時間近くも要してしまったのだ。
そこはもう、歓喜の瞬間だけが目的だった。
その瞬間を迎えるために、世界中のひとたちがひとつになっていた。
「HAPPY NEW YEAR!」「AMERICA!」
待ちきれない観衆達が、歓喜の声を挙げている。
ただひとつ、タイムズスクエアを眺めながら。
ついにその瞬間が訪れる。
10、9、8・・・3、2、1
HAPPY NEW YEARRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!!
そこに言葉の壁なんてなかった。
抱き合うヒト、叫ぶヒト、キスするヒト、
100万人分の感情をためて、タイムズスクエアのくす玉は爆発したんだ。
言葉にならない感動の瞬間だった。
その圧倒的な光景に、僕の奥底の感情が一気に胸に込み上げ、涙が出た。
もちろん、A子には内緒で。
反対側のセントラルパークでは、花火が打ち上がる。
ゆく年来る年を見ながらしみじみと迎えていた日本のカウントダウンとは異なり、
おそらく1年で最も歓喜するNYCのこの瞬間に立ち会えたことに身震いした。
3時間に及ぶ「ミッドタウンの悲劇」のせいでワインを買い忘れた僕らは、
近所のデリでビールを買い、ホテルの部屋でゆっくりと
「カウントダウンの歓喜」に酔いしれたのである。
2011年の幕開け。特別なメッセージを乗せて・・・
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